Japan Typography Association

桑山弥三郎

後楽園遊園地・スケートセンターのトイレ。撮影:武者 寛1973
後楽園遊園地・スケートセンターのトイレ。撮影:武者 寛 1973

トイレのピクト男女 Lady & Gentleman

世界各地を旅するときに、どこに行っても、必ず目にとまるものがある。それは、トイレの男女のピクトである。多種多様で、千差万別であり、目的がはっきりしているにもかかわらず、かなりローカル性がある。これほど興味を引かれるものは、ないと言っても過言ではない。私が撮ってきた写真の多くが、トイレのピクトである。しかし、写真を撮るのは意外に難しく、特に女子トイレを撮るときは、タイミングがドキドキもので、真似することは、お勧めできない。

トルコのフィリピでは、公園のトイレの男女のマークが、同じ色のニワトリだった。とさかの大きさと尾の長さの違いで、判断するしかなく、なじみのない私には分かりづらかった。同じトルコのフィラデルフィアのレストランのトイレは、男性は小便小僧、女性は少女が便座に座っているマークで、行為をデザイン化したものとして興味深かったが、日本人の感覚としては、レストランではなかなか使えたものではないと思った。

男女のピクトの特徴

一般的な色として、男子トイレには青、女子トイレには赤が、多く使われている。頭を表す丸の下に、四角と三角という具象も多用されるが、男性のズボンと女性のスカートをイメージしている。西洋では一昔前は、男性はひげ、女性は唇が多いと感じた。その他、近年では、男性はステッキやシルクハット、パイプが使われるのに対して、女性には手袋やパラソルなどが使われている。さらに、革靴に対してハイヒール。ネクタイや蝶ネクタイに対して、ネックレスやリボンなどがある。

余談ではあるが、古代遺跡のトイレは、入口と出口の階段の違いが一目でわかる。用を足すため急いでいる入口は、足に力が入っているため、磨耗が激しいのだ。出口は、落ち着いて歩いているので、磨耗はそれほどでもない。旅行中もトイレが多いところは安心だ。

男と女の違いを認める

どんなに仲のよいカップルでも必ず分かれるところ、それがトイレである。そもそも男性と女性はどのように存在するようになったのか。聖書の創世記に、こう書かれている。「エホバ神は深い眠りを人(男アダム)に臨ませ、彼が眠っている間に、そのあばら骨の一つを取り、次いでそこの肉をふさがれた。それからエホバ神は、人から取ったあばら骨を女(エバ)に造り上げ、それを人のところに連れて来られた。すると人は言った、『これこそついにわたしの骨の骨、わたしの肉の肉。これは“女”と呼ばれよう。男から取られたのだから』」。(創世記2:21-23)女性は、男性から創造され存在するようになったという点で男性の一部で、また男性と「一体」であり、男性を補うもの、そして助け手としての働きがある。女性は自分の頭(かしら)としての男性に従属する立場にあった。このように男性の庇護の下で、大切に扱われる女性は、家族のために一生懸命働き、頭(かしら)である夫に誉れをもたらすよう動かされ、夫が正しい結論に達するのを助ける。また、女性はよく整えられた服装とともに、慎みと上品さで、内面を飾るようにとも聖書は述べている。このような妻のことを、夫は誇りに思い、大切にする。レディファーストは、この精神の現われである。

外国では多くの場合、手前側のトイレが女性用で、男性用は遠くにある。男性としては、少々不便で疲れる構造だ。しかしこれは、女性に対する思いやりなのである。

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